月刊近美創刊号 N0.001

 
人は突然の「雪だるま」に何をするのか? text&photo/Yoshikiyo Araki
 今回は人が多い所を選び、札幌駅ステラプレイスの入り口にて実験を開始する事となった。
まず、あらかじめ作っておいた高さ25cmほどの雪だるまを通りの激しい入り口付近に設置し人々の反応を観察する事にした。
 
   
 
気付かれないようにそっと雪だるまを設置して…
 
 初めは段階からかなり手応えがあった。ジロジロ見ている人や、立ち止まる人や、指を指して笑う人などが登場!。ただ我々としては置いてすぐ壊されてしまうのではないかという予想もしていたが以外にも人々はかなり興味をもつが、そのもの自体に何かをしようという人はいない。。。っと思っていたが
 
 ついに現れた!!
 
 子供は素直である。雪だるまを見つけたら迷いもせず持ち上げてなにやら一人でモジョモジョ話している。一体この子の親はどこへ行ったのか?ひたすら一人でモジョモジョ、よほど嬉しかったのだろう。
 
 しかし突然カメラからはずれ、別な場所へ持っていってしまった。 あわててカメラをずらすと雪だるまはあったが、少女はすでにいなかった。なんてセンチメンタルな少女なんだろう。
 
 それにしても誰一人踏まない。それどころか 以外と気づかないのだ。 世の中の人は足元にある雪だるますらみる余裕が無くなってしまったのか?(ちなみにぼくは足元から見てます)
 
 【結局この日の研究の成果はこうなりました】

人通りの多い所に可愛い雪だるまを置いたら、特に壊されもせず(唯一子供が少し触りましたが)に終了。しかしリアクションが無いわけでも無く、それなりに楽しんでいただいたように思います。
非日常的な事、突然訪れるファンタジー、あるいは差別的快楽。そういった物が人間は不安でもありまた快楽でもあるような気がします。
正にアートとは、そういう物なのかもしれません。
 
 
 雪だるまの大きさ:25cm
調査時間:1時間
通過した人数推定:3514人
そのうち何らかの反応があった人:928人
ちなみにこの後、道路に置いた所、30秒で車に轢かれました(車に乗ると人が変わるのか?)
 
 

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